医療安全の取り組みすべての病客さまにご安心いただくために
医療事故について
医療の現場において、医療ミスや医療事故、合併症といったトラブルを少なくする努力をしていますが、残念ながら根絶できていません。
一般には大きな医療過誤(明らかなミスによる重篤な被害)1件のかげには、小さな医療事故(ミスは明らかではないものの、軽微な被害)は30件、ひやりハッとした未遂に至っては300件があると言われています。
当院においても、専従や専任の医療安全担当者を置き、マニュアルの整備・確認作業の徹底などを指導し、トラブルが生じた場合には報告・原因の追求・改善策の推進を行っています。
また、一部には医療サービスに満足いただけなかったことすべてが医療ミスや医療事故であるといった誤解もあります。 現在の医学水準において治すことができない病気もありますが、当院に来てよかったと病客さま自身やその家族の方に満足していただける医療サービスを提供いたします。
理事長・院長 榊原 敬
医療過誤を構成する要素
①診断義務 (見落としがあった)
- 問診が不十分だった
- 症状の見落としがあった
- 必要な検査を実施しなかった
- 検査のやり方が不適切だった
- 医学的に間違った診断だった など
②治療義務
1.作為(間違ったことをした)
- 治療措置が医学的に間違っていた
- 治療後の経過観察・措置が不適切だった など
2.不作為(するべきことをしなかった)
- 必要な治療処置が行われなかった
- 入院させるべきところ入院させなかった など
③説明義務(理解して貰う姿勢に欠けた)
- 疾病名・検査・治療内容の説明しなかった
- 必要性・危険性を説明しなかった
- 不実施の効果と他の代替治療について説明しなかった
- 病客さまの意思と理解の確認をしなかった(緊急の場合を除く) など
但し、避ける最善の努力をしても合併症が起こることがあり、防ぎようのない合併症は医療過誤ではありません。(賠償責任は免責されます)
また一般的な合併症には説明責任があるものの、ごく稀な合併症までの説明責任はありません。
これは法律の専門家の統一見解です。 また、医師の裁量権とはするべきことを行い、行ってはいけないことはせず、学会などの治療指針にそって、病客さまの病態に合わせて判断するものと考えています。
医療安全について
当院では、病客さまに安心して医療を受けていただくために、「感染管理」と「安全管理」の側面から、安全な医療・療養環境の整備およびスタッフの安全スキル向上に努めています。
体制の整備

主な活動
- インシデントレポートの収集・管理、原因分析、調査、フィードバック
- アクシデントレポートの収集・管理
- 医療安全に関わる会議や委員会への出席
- 院内ラウンド
- 医療安全に関わるマニュアルの作成指導及び管理
- 医療安全に関する教育及び研修(企画と運営)
- 医療安全管理に係る情報収集および院内各部門との連絡調整
- 他施設の医療安全管理室との情報交換
- 患者相談窓口との連携
医療安全部による『Good Job Award』
よい仕事を共有し安全を高める
“うまくいかなかった事例”、すなわちエラーやミスを分析して原因を探り、そこから改善してリスクを減らす。これを“Safety I”といいます。お馴染みのインシデントレポートからの改善による安全向上です。
しかし、その逆に“うまくいった事例”に注目して安全を高めようという考え方があります。それを“Safety II”といいます。
当院ではそうした取り組みとして『Good Job Award』を開催しました。安全な医療を提供するためには職員間のコミュニケーションが大切であり、各自が感じた小さな疑問をそのままにせず、他のスタッフと共有することで未然にエラーを防ぐ行動が重要です。今後もコミュニケーションを大切にして安全な医療に努めます。