平成30年度 心臓病センター榊原 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 10 17 58 173 447 1096 1820 1561 317
退院数を10歳ごとに分けています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050XX02000X 狭心症、慢性虚血性心疾患冠状動脈形成術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 824 3.04 4.47 0.01 71.41
050070XX01X0XX 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル焼灼術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病無し 343 4.09 5.15 0.00 65.05
050130XX99000X 心不全、手術無し 手術・処置等なし 定義副傷病なし 296 17.23 17.66 0.07 82.34
050050XX99100X 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術無し 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 260 2.61 3.01 0.01 73.70
050070XX99000X 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病無し 185 3.54 7.54 0.02 68.4
当院は1932年(昭和7年)より外科榊原病院として始まり、1966年(昭和41年)より循環器内科を開設し、「循環器および関連領域の診断・治療からリハビリ、予防まで」をテーマに、地域に根ざした循環器医療を24時間365日提供しています。また、不整脈疾患の心筋焼灼術により根本的な治療が可能となりました。近年では頚動脈、鎖骨下動・静脈、腹腔内動脈、上・下肢動脈など末梢血管に対するカテーテル治療にも取り組んでいます。こうした取り組みが地域に評価され、数多くの症例の診療に取り組んでいます
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163XX03X0XX 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 88 6.40 2.01 0.01 78.39
050080XX01010X 弁膜症(連合弁膜症を含む。)ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病なし 88 29.73 24.00 0.05 72.31
050050XX0101XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 58 26.47 22.91 0.12 69.19
050080XX9700XX 弁膜症(連合弁膜症を含む。)その他の手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 47 11.79 16.72 0.09 84.17
050161XX97X10X 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 1あり 定義副傷病なし 43 29.84 28.37 0.30 67.40
当院は1932年(昭和7年)に外科榊原病院として開設、1936年(昭和11年)に世界で最初に心臓外傷の手術に成功。それ以来、心臓外科のパイオニアとして歩んでまいりました。当院の心臓血管外科治療では、弁膜症、冠動脈疾患、大動脈疾患の3本柱を中心とし低侵襲手術にも取り組んでいます。現在では県内はもとより、中四国地域より数多くの紹介があります。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180XX02XXXX 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 手術・処置1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 83 2.04 2.85 0.00 68.55
050170XX03000X 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 31 6.35 5.50 0.00 73.71
110280XX02X00X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 17 5.12 8.75 0.00 71.82
180040XX97X0XX 手術・処置等の合併症 手術あり 手術・処置等2 なし 12 5.33 11.56 0.00 76.33
050200XX97XXXX 循環器疾患(その他) 手術あり 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 あり 9.98
当科では、下肢静脈瘤および閉塞性動脈硬化症を中心に末梢血管疾患に対する治療をおこなっています。また、血液透析中の末梢血管合併症が増加しており、専門的治療を目的に紹介が増加しています。
人工透析内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
180040XX97X0XX 手術・処置等の合併症 手術あり 手術・処置等2 なし 305 1.23 11.56 0.00 73.25
050340XX97XXXX その他の循環器の障害 手術あり 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 35 1.31 15.23 0.00 69.51
180040XX97X1XX 手術・処置等の合併症 手術あり 手術・処置等2 1あり 10 17.10 31.88 0.00 73.70
110280XX99010X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病あり 14.21
110280XX99000X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病あり 13.50
当科は循環器および関連領域における腎合併症の治療をおこなっています。地域の透析施設より人工透析中の内シャントの異常や上下肢の末梢血管の異常をきたした方の紹介がほとんどです。
消化器内科、消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100XX01XX0X 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 101 2.38 2.67 0.00 68.71
060100XX01XX1X 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病あり 23 2.52 3.94 0.00 71.43
060035XX99X00X 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 22 2.41 7.55 0.00 76.36
060100XX99XXXX 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし 17 2.53 2.99 0.00 78.00
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 手術・処置等2 なし 4.96
病院の性質として、ワーファリンやバイアスピリンなどの抗凝固・抗血小板療法をおこなっている方が多く、消化器疾患の合併症を伴う治療が中心となっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌
大腸癌 16 7
乳癌
肺癌
肝癌
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌は、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌であり、国際対がん連合によって定められた国際的な分類(UICC分類)によって集計しています。角癌を期(早期)から期(末期)に分類し、「初発」は当院で診断または初回の治療を開始した場合を指し、「再発」は当院・他院を問わず初回の治療の完了後に再発・転移をきたした場合を指します。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 14 13.79 71.43
中等症 32 17.72 81.19
重症
超重症
不明
重症度の項目は①年齢 男性70歳以上 女性75歳以上②BUN 21mg/dl以上または脱水あり③SPO2≦90%④意識障害あり⑤収縮期血圧90mmHg以下になります。項目数が多いほど重症になります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
-
脳梗塞を病型、発症日からの日数別に集計しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 711 1.23 2.12 0.84 71.34
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 265 1.01 2.49 0.00 66.73
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他のもの) 91 0.90 2.05 1.10 71.90
K5481 経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル) 87 2.07 4.29 4.60 73.77
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 87 1.68 2.55 1.15 60.23
心筋梗塞・狭心症に対するカテーテル診断・治療が多数を占めています。当院の方針は、循環器内科と心臓血管外科が密接に連携し、手術がよいかカテーテル治療がよいかを検討して、必要とされた場合にのみカテーテル治療をおこなっています。治療に際しては、治療部位の正確な情報を得るため、冠動脈内超音波検査(IVUS)や光断層撮影検査(OCT)をおこない、必要な部分のみの治療をおこなっています。カテーテル治療をおこなう場合は、身体的負担の軽い手首の動脈(橈骨動脈)の使用を基本とし、狭くなった冠動脈にステントという薄い金網を内張りするステント治療はもちろんのこと、ロータブレータやエキシマレーザを使用した専門的なカテーテル治療も専門医のもとでおこなっています。また、1992年(平成4年)より不整脈疾患に対する心筋焼灼術を開始し、2011年(平成23年)には最新機器を導入。治療時間の大幅な短縮が可能となり、またカテーテルの進歩もめざましく、より複雑な治療を安全におこなうことができるようになりました。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 94 1.53 7.16 6.38 78.05
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 66 3.35 11.91 9.09 83.88
K5551 弁置換術(1弁のもの) 58 3.84 28.07 10.34 72.95
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 57 3.39 12.89 14.04 72.75
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)(2吻合以上のもの) 53 3.51 22.92 9.43 68.19
当科では、弁膜症、冠動脈疾患、大動脈疾患の手術が多く、当院ではなるべく身体に負担のない手術をおこなうよう努力しています。弁膜症手術は、痛んだ心臓の弁を人工の弁に取り換える手術(置換術)か、自分の弁をできるだけ残して弁を修理する手術(形成術)がありますが、当科では可能な限り形成術をおこなっています。また、胸骨を切らずに右の肋骨の間を小さく切開しておこなうMICS手術を積極的に実施することで身体への負担が少なく、入院日数が短縮しています。冠動脈の手術は、心臓自体に栄養を送るための冠動脈が狭くなったり(狭心症)、閉塞したり(心筋梗塞)することにより心臓の機能が低下した場合に、自分の大腿の血管や胸の中にある血管を使用してバイパス手術をおこないます。この手術においても身体への負担が少ないオフポンプ手術(人工心肺を使用しない)やMICS手術を積極的に実施しています。腹部大動脈瘤の手術では、開腹による破裂や大出血の危険性がある場合に、大腿の血管からカテーテルを使用して、血管の内側に金網に人工の布を張った血管を内張りするステントグラフト内挿術を積極的におこなっています。この術式の導入により、手術後の入院日数が大幅に短縮され、大きな傷も残らなくなりました。近年では、大動脈弁の置換術をカテーテルを使用しておこなう経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)を導入し、ますます身体に優しい手術をおこなうことができるようになりました。当科は、これからも心臓血管外科手術の最後の砦として地域に貢献してまいります。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 81 0.01 1.02 0.00 68.38
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 50 1.88 4.50 2.00 75.02
K610-3 内シャント設置術 21 0.48 2.05 0.00 72.52
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈)
K6093 動脈血栓内膜摘出術(その他のもの)
最も症例数の多い下肢静脈瘤は、血管内超音波検査、脈波検査をおこない手術適応のある症例に関して、大伏在静脈あるいは小伏在静脈領域の下肢静脈瘤に対しては、血管内レーザー焼灼術を第一選択に1泊2日で施行しています。閉塞性動脈硬化症に対しては、下肢閉塞性動脈硬化症診断・治療指針(TASC)に準じて、運動負荷検査の結果で運動療法・薬剤治療後、侵襲的治療の必要な症例に対して、まず血管内治療を積極的におこなっています。腸骨動脈の病変には、血管内治療を第一選択としておこない、外科的血行再建術と組み合わせたハイブリッド手術もおこなっています。大腿以下の下肢動脈病変に対しても、血管内治療が可能な症例に対しては、積極的に第一選択として血管内治療をおこないます。石灰化病変が著明な動脈硬化症例が増加してきております。総大腿動脈動脈病変に対しては、血管内膜除去術・パッチ形成術を積極的に行っています。
消化器内科、消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 119 0.29 1.08 0.00 69.43
K722 小腸結腸内視鏡的止血術
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア)
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上)
K654 内視鏡的消化管止血術
当科では内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術に力を入れています。ワーファリンやバイアスピリンなどの抗凝固・抗血小板療法を行っている方に対し、他科と協力しながら安全で確実な治療を心がけています。同様に、吐下血などの止血術も多くなっており、緊急時にも対応できるようにしています。胃がん、大腸癌に対しては、内視鏡的手術の対象となる症例に対して、内視鏡的粘膜剥皮術などを行っております。また、その他の癌に関しては早期発見を心がけ、専門医療機関への紹介を勧めています。
人工透析内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 313 0.56 0.56 0.64 73.11
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 22 0.32 3.77 0.00 67.68
K608-3 内シャント血栓除去術 17 0.00 0.53 0.00 75.94
K610-3 内シャント設置術 10 8.30 15.80 20.00 73.40
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈)
地域の透析施設より人工透析中の内シャントの異常や上下肢の末梢血管の異常をきたした方のカテーテル治療がほとんどで、先端に小さい風船が付いたカテーテル(バルーンカテーテル)を血管内に挿入して、狭くなった部分に風船を拡げて元に戻す手術をおこなっています。また、狭くなった部分に血栓がたまり、カテーテルを使用して取り除く手術もおこなっています。これらの手術は日帰りが可能です。人工透析を受けられる方の高齢化が進んでおり、今後ますます増えてくると予想されます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 444 8.02
異なる 24 0.43
入院契機の項目の「同一」は入院の原因となった疾患と同じもので、入院前に発症したことを示しています。一方「異なる」は入院の原因となった疾患とは異なるもので、入院後に発症したことを示しています。「手術・処置の合併症」で「同一」の発生率は8.02%「異なる」は0.43%となっているのは、合併症の治療のために入院した病客さまが多かったことを示しています。その原因として、人工透析中のシャント機能不全が多く見られました。他の医療機関からの治療依頼に積極的に対応した結果となっています。
更新履歴
2019年9月26日