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創 刊 の 辞
榊 原 宣
このたび、わが心職病センター榊原病院開設65周年記念事業の1つとして「心臓病センター榊原病院雑誌」を創刊することになりました。思えば、65年前、故榊原亨が当院を開設するにあたり、つぎのような綱領を記しております。
「院長外科技能の一世に冠たるは既に自ら信ずる処なり。夙に感ずる処あり。自ら街頭に立ちて独力本院創設し実際の診療に従事して卓絶せる外科医療を一般国民に施し、想を練り、技を磨き、外科の真髄に徹して一流の日本独自の外科学創立を念願せり。他力を頼まず。自ら働きて得たるを以て、自ら努力し遠大なる理想を実現するのみ。随って本院は営利を目的とする世俗の病院にはあらず。」といい、
恩師泉伍朗教授のご指示にしたがって、小さな開業医にふさわしくないような、大きな設備の整った研究室を設け、開業のかたわら研究を続けました。その研究成果の発表の場として、雑誌の発刊を夢みておりました。
このことは1937年日本臨床外科医学会の設立にあたって、学会機関誌の編集、発行の業務を当院が引き受けていたことからもうかがうことができます。この事業は戦火で中断しました。
それにいたしましても、雑誌の創刊は大学でもない、研究所でもない、一民間病院の事業としましては大事業であります。最近、当院医員の論文が欧米専門誌にも掲載され、さらに教科書にも引用されるようになり、雑誌創刊の機が熟してきたと思います。
このたび、当院顧問小坂淳夫先生のご助言、ご指導と当院職員の総意によって創刊することになりました。長い歴史を誇る雑誌でも休廃刊になるなか、創刊できますこと、たいへん嬉しく、光栄に思います。故榊原亨もどんなにか喜んでいることと思います。
今後、この雑誌が医療、医学の進歩、発展のみならず、病院を支えるすべての方々の向上にいささかでも寄与できますよう、これまでにないユニークな雑誌づくりを目指し、努力いたす覚悟でございます。なにとぞ、この上ともご支援賜りますようお願いいたし、創刊の辞といたします。
(1997年8月1日)
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